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長野日報社のランサムウエア感染についてまとめてみた

2023年12月21日、長野日報社は社内サーバーがランサムウエアに感染したため、新聞製作に影響が出ており通常発行している紙面数よりページ数を削減した特別紙面で対応しているとして謝罪しました。ここでは関連する情報をまとめます。

ランサムウエアの影響受け通常通りの新聞製作できず

www.nagano-np.co.jp
www.nagano-np.co.jp

  • 不正アクセスの被害にあったのは長野日報社。同社は長野県諏訪、上伊那地方で「長野日報」を発行しており、発行部数は5万8千部(2017年12月時点)。*1
  • 同社が異常を確認したのは2023年12月19日23時過ぎ。*2 新聞製作に使用する端末からサーバーに接続ができないシステム障害が発生*3し、記事や写真を補完しているサーバーがランサムウエアの被害(データの暗号化)にあっていることが判明。外国語(英文)で期限付きの金銭要求をしているとみられる画面が表示されていた。この影響により10数台の端末が使用できない状態となり、紙面のレイアウトを組むことができない事態となった。*4 ランサムウエアの感染経路について、その後の調査で外部からのアクセス制限する機能が脆弱であったと同社は取材に答えている。今回の事案に伴い、ネットワーク設計の見直しを行った。*5 *6
  • サーバー上には公開予定の紙面用記事、写真データが保存されていたが、個人情報の流出はないとしている。また同社のWebサイト、メールシステムにも影響は及んでおらず通常通り稼働していると説明した。
  • 同社がこれまでにとった対応として、感染が確認されたサーバーのネットワークからの切り離しを行ったほか、感染の可能性がないとみられるサーバーを使用した特別紙面の発行への変更*7、長野県警への被害の届け出を行っている。ランサムウエア被害にあったサーバーはその後復旧作業が進められ、2024年2月20日付朝刊で通常紙面に戻ったとする記事を掲載した。*8 同社は金銭の要求には応じない方針。
  • 特別紙面では発行紙面数の削減を行った。21日付の発行紙面は通常16ページのところ、8ページ。22日付もページ数を減らした発行としており、以降もページ数を減らした状態が続く可能性があるとしている。*9同社は復旧を進めつつ、地方面などを中心にページ数を戻していく方針としている。*10

更新履歴

  • 2023年12月22日 PM 新規作成
  • 2024年2月20日 PM 続報反映(システム復旧等)