piyolog

piyokangoの備忘録です。セキュリティの出来事を中心にまとめています。このサイトはGoogle Analyticsを利用しています。

意図せず開設された本人名義の口座を悪用した特殊詐欺についてまとめてみた

2024年3月10日、北海道警は札幌市内で約1400万円の特殊詐欺による被害が発生したと3月8日に発表しました。また3月18日には千葉県警が同様の事案の発生について発表しました。ここでは関連する情報をまとめます。

勝手に開設した本人名義の口座へ送金指示か

  • 2024年3月8日に札幌市内で約1,400万円の詐欺被害が発生したと発表したのは北海道警察 札幌厚別署。*1
  • 今回確認された新たな特殊詐欺の手口として、被害者名義の口座を詐欺実行犯が勝手に開設し、これを送金先に指定するもの。被害者は詐欺実行犯から連絡を受けた際に、スマートフォンのビデオ通話を通じて自身の顔とマイナンバーカードを映しており、ここで取得した情報などを用いて勝手に口座を開設していたとみられている。
  • 被害者は自身の口座が勝手に作成されていた事実を把握しておらず、また被害者が利用していた金融機関の窓口でも職員は被害者が特殊詐欺にあっている事実に気づくことができなかった。北海道警は本人名義の口座であったことから不審に思わなかった可能性があると指摘。
  • 被害者に詐欺実行犯(「総合通信局」の職員、警察官を騙っていた。)から連絡があったのは2024年1月中旬頃。その後に何者かによりインターネットを通じて被害者名義の口座が開設され、再び口座が凍結されているとしてその口座を提示の上、預金を送金するよう指示した。被害者は2月28日に振り込みを行っているが、犯人による最初の連絡から送金指示までどれぐらい日があいたのかは報じられていない。
勝手に開設した本人名義口座を悪用した特殊詐欺の流れ

指示受け開設させられた事案も

  • 2023年11月27日から2024年1月2日にかけて、松戸市内で2億5千万円の詐欺被害が発生したと千葉県警察 松戸署が発表した。*2
  • 手口は連絡してきた相手の指示に従ってオンラインバンキングの開設をさせられるもので、10個の口座を開設させられていた。さらに被害者は暗号資産に交換し、詐欺実行犯が指定する別の暗号資産の口座へ送金してしまった。札幌市の事案同様に、連絡してきた人物は「総合通信局」の職員を名乗っていた。

更新履歴

  • 2024年3月20日 AM 新規作成