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キャッシュレス決済サービスの補償制度の状況についてまとめてみた

スマートフォンアプリなどで利用されるキャッシュレス決済サービスを提供する事業者でフィッシング詐欺などの被害を補償する制度が導入され始めています。ここでは各社のサービスにおける補償制度についてまとめます。

補償制度の導入状況

2019年8月28日時点で、規約上で補償制度の記述が確認できたのは6社。
それ以外は記載がないか、提供事業者側で故意、または重大な過失があった場合のみ。

決済サービス名 補償規定 補償上限額
(第三者より回収できた金額を差し引く)
申告可能期日 補償手数料 警察への申告 フィッシング詐欺対応
PayPay 有り
PayPay補償制度に関する規約
原則全額 不正利用被害発生日から60日以内
連続で発生した場合は最終日が対象
サービス提供元負担 必要 明記有り
d払い 有り
第9条 補償等
原則全額 不正利用被害認知日から30日以内
申告から90日以内に発生した不正利用が対象
記載無し 必要 明記有り
メルペイ 有り
第 17 条 不正利用等
原則全額 記載無し 記載無し 必要 明記有り
LINE Pay 有り
第32条 不正使用補償サービス
1事故あたり原則10万円上限 不正利用被害発生日から31日以内(受理日含む) サービス提供元負担 必要 明記有り
J-Coin Pay 有り
第20条 補償サービス
原則全額 記載無し 記載無し 恐らく該当 明記有り
&Pay 有り
&Payによる不正な送金等に係る補償について
30万円上限 不正利用被害日から30日以内 記載無し 必要 記載無し
故意、重大な過失に該当する恐れあり
楽天 Pay 記載無し
サービス提供者の故意、重大な過失に限定
第7条 楽天ID及びパスワードの管理等
記載無し 記載無し 記載無し 記載無し 記載無し
Origami Pay 記載無し
サービス提供者の故意、重大な過失に限定
第6条 モバイル端末の紛失及びアカウントの不正利用
記載無し 記載無し 記載無し 記載無し 記載無し
au Pay 記載無し 記載無し 記載無し 記載無し 記載無し 記載無し
Amazon Pay 記載無し 記載無し 記載無し 記載無し 記載無し 対象外
ファミペイ 記載無し
サービス提供者の故意、重大な過失に限定
第5条(暗証番号等の管理)
記載無し 記載無し 記載無し 記載無し 記載無し
QUOカードPay 不正利用に対する補償制度無し
第14条(スマートフォンおよびアカウントの管理)
記載無し 記載無し 記載無し 記載無し 対象外
Pixiv Pay 不正利用に対する補償制度無し
第11条 登録メールアドレス、ID及びパスワードの管理等
記載無し 記載無し 記載無し 記載無し 対象外
コーナンPay 不正利用に対する保証制度無し
第6条(パスワードの管理)
記載無し 記載無し 記載無し 記載無し 対象外
ゆうちょPay 不正使用に対する保証制度無し
21 免責
記載無し 記載無し 記載無し 記載無し 対象外
YOKA!Pay 不正使用に対する保証制度無し
第20条(免責)
記載無し 記載無し 記載無し 記載無し 対象外
りそなPayB 不正使用に対する保証制度無し
第6条 パスワード等の管理
(アプリ内から確認)
記載無し 記載無し 記載無し 記載無し 対象外
Sma-sh pay 正使用に対する保証制度無し
第10条 Sma-sh payの管理
記載無し 記載無し 記載無し 記載無し 対象外

補償制度の導入日

導入6社の導入(改訂)日を確認すると次の通り。

LINE Pay 2015年2月15日に改訂
【より安心・快適にご利用いただくために】LINEの送金・決済サービス「LINE Pay」、安全のしくみをご紹介
J-Coin Pay 改訂日の記述がないため、サービス開始当初から導入されていた模様
&Pay 2019年7月4日に改訂
メルペイ 2019年8月15日に改訂
PayPay 2019年8月28日に改訂
不正利用による被害を補償する制度の導入について ~ 「PayPay」をより安心してご利用いただくために ~
d払い 2019年8月28日に改訂
「d払い」等における不正利用の被害を補償する制度を導入

更新履歴

  • 2019年8月29日 AM 新規作成
  • 2019年8月29日 AM 申告期限の表記が曖昧だったため訂正、主にスマートフォン用アプリで利用されるキャッシュレス決済という主旨のため表現を修正