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テキサス州22自治体のランサムウェア感染についてまとめてみた

2019年8月16日、米国テキサス州の複数の自治体(町など)でRansomwareによる被害が同時期に発生しました。州の調査ではこれら被害は同一の攻撃者によるものと報告されています。ここでは関連する情報をまとめます。

Tx DIRの報告

テキサス州 Department of Information Resources(TDIR)による発表は以下の通り。

日時 出来事
2019年8月16日 朝 テキサス州内の22自治体でランサムウェア被害発生。
同日 夜 州オペレーションセンターが昼夜シフトで稼働開始。
同日 TDIRが当該事象に関する報告(第一報)
2019年8月17日 TDIRが当該事象に関する報告(第二報)
2019年8月20日 TDIRが当該事象に関する報告(第三報)

ランサムウェア被害の状況

  • ランサムウェア感染は2019年8月16日朝に発生。
  • 被害報告のあった自治体は22組織(当初23だったがその後修正。)
  • テキサス州の緊急対応システムで2番目の警告を発令。
  • 被害を受けた自治体の多くは小規模だった。
  • FBI捜査対象の事案となったため、追加情報の開示が行われない状況。

感染したランサムウェア

City of Wilmerではデスクトップに青い画面に次のメッセージが表示されるシーンが報じられている。

All of your files are encrypted!
Find 101n27-readme.txt and follow instuctions

感染までの手口

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一部組織では委託先が攻撃を受けた可能性を指摘

  • TDIRは発信元の調査を行うも、まずは被害への対応と復旧を優先事項として処理中。
  • テキサス州のシステム、ネットワークに対して侵害の兆候はない。
  • City of Keeneが被害を受けたシステムは町外のテクノロジーサービス企業が管理していた。
  • Keene市長は委託先企業が利用する情報管理ソフトウェアが侵害されたとコメントしている。
  • TDIRは被害は自治体の特定部門が大半だったと答えている。

被害対応・復旧の状況

  • 報告された22全ての自治体で担当者が対応に当たっており、順次オンラインへ復旧させている。
  • 8月20日時点で25%以上が修復・復旧作業へ移行した。
  • 直接影響を受けていない2自治体(Grayson County、City of Denison)も予防的措置として一部システムがオフラインにされた。

被害報告があった自治体

  • 更なる攻撃に備えTDIRから自治体名は公表されていない。
  • テキサス州には自治体が1,216組織存在する。

被害を公表、報じられた自治体は以下の通り。

No 被害に遭った自治体名 被害の状況等
1 Lubbock County Ransomwareに対して迅速な対応、封じ込めが行われたと報道
他の端末、システムへの影響はなかった。
2 City of Borger
(人口:約13,300人)
一部の行政(出生死亡届等)、金融関連業務へ影響
Facebookへの投稿(8月16日)
Facebookへの投稿(8月20日)
3 City of Keene
(人口:約6,100人)
水道料金の支払い等に影響が出た。
4 City of Wilmer
(人口:約3,600人)
裁判所、水道、警察、消防署、公共図書館のシステムに影響が出た。
5 City of Kaufman
(人口:約7,300人)
Facebookへの投稿(8月20日の投稿)

更新履歴

  • 2019年8月22日 PM 新規作成