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嵐のコンサートで摘発されたチケット不正転売と身分証偽造についてまとめてみた

2019年10月24日、大阪府警は北海道札幌市の女をチケット不正転売防止法違反などの疑いで書類送検したと発表しました。ここでは関連する情報をまとめます。

初の不正転売防止法違反事案

  • チケット不正転売防止法違反と有印私文書偽造、行使の容疑で摘発。
  • 2019年6月14日に施行された不正転売防止法に違反する事案としては全国で初めて。
  • 大阪府警が捜査を担当し、書類送検されたのは北海道札幌市の24歳 女。容疑を認めている。送検日は10月24日付。
  • 18歳高校生、19歳専門学生など10~20代の女性3人(静岡、徳島、三重)に対し、2019年6月、9月の2回に東京と大阪で開催された嵐のコンサートで、SNSでチケットの転売を持ち掛け、電子チケット4枚を合計42万3000円で転売した疑いがもたれている。*1
  • 転売されたチケットは5000円と9000円の2種類。
  • 転売価格は定価の8倍から14倍超。最も高く転売したものでは1枚9000円のチケットを13万3000円で取引を行っていたとされる。

偽造社員証で本人確認

  • 電子チケットには入場可能な人物(代表者、同行者)の名前が表示されている。
  • コンサート会場入場の際に写真付きの身分証明書の提示が求められ、本人確認が行われている。
  • 女はあらかじめ実在する企業の社員証に似せたカードを転売相手の分も含めて用意。
  • 転売した女性と会場付近で合流し、偽造した社員証に顔写真を張らせて入場させていた。
  • SNSでは顔写真があれば確実には入れると転売の呼びかけを行っていた。*2

全てのコンサートへ行くための資金稼ぎ

  • 女は第三者がSNSで転売していたチケットをあらかじめ複数枚購入。
  • 入手したチケットの内、最も良い席を自分の席として利用していた。
  • 嵐のファンであり、2019年1月に活動休止が発表されたことを受け全てのコンサートに参加したかった、交通費など参加費用を作る必要があったと供述している。
  • 大阪府警は女から押収したスマートフォンを解析。書類送検された分を含めて、2019年1月から10公演17席分を90万5000円で転売していたとみられている。*3

更新履歴

  • 2019年10月26日 AM 新規作成

*1:チケット転売 初立件 SNS利用 容疑の女書類送検,朝日新聞,2019年10月25日朝刊

*2:「嵐」のチケット高額転売 禁止法違反で初摘発、大阪,日本経済新聞,2019年10月24日

*3:「嵐」チケット転売疑い=禁止法初適用、女を書類送検-大阪府警,時事通信,2019年10月24日