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ケータイキット for Movable Type の脆弱性についてまとめてみた

2016年4月22日、アイデアマンズ株式会社は同社製品の「ケータイキット for Movable Type」の脆弱性情報と緊急パッチを公開しました。既にこの脆弱性を悪用した不正アクセス被害が発生しています。ここでは関連情報をまとめます。

公式発表

開発元、およびバンドル製品を提供しているベンダより公開されている情報は次の通り。

脆弱性概要

対象 ケータイキット for Movable Type
CVE CVE-2016-1204
CVE-2016-3714他(ImageTragick)
影響 RCE
重要度 CVE-2016-1204:緊急
PoC CVE-2016-1204:公開なし。既に悪用あり
CVSS(v3) CVE-2016-1204:7.3(base)
脆弱性の影響説明

ケータイキット for Movable Type の画像処理機能には、OS コマンドインジェクションの脆弱性が存在します。悪意のある任意のリクエストパラメータにより、任意の OS コマンドを実行される可能性があります。

https://www.ideamans.com/release/20160422/
脆弱性特設ページ

次のURLより確認できる。ID/PWにはライセンスキーを入力する必要がある。

タイムライン

日時 出来事
2016年4月21日 0時〜3時 J-WAVE Webサイトで当該製品を対象とした不正アクセスが発生。
2016年4月22日 イデアマンズが脆弱性情報を公開。緊急パッチをリリース。
同日 スカイアークが約200社のユーザーへ注意喚起。
2016年4月23日 イデアマンズが修正版をリリース。
2016年4月25日 イデアマンズが脆弱性特設ページを開設。
2016年4月28日 イデアマンズが攻撃形跡検査ツールを公開。
2016年5月2日 イデアマンズが専用の問い合わせ窓口を公開。
2016年5月10日 イデアマンズがImageTragickの脆弱性などを修正した最新版を公開。

影響範囲

次のバージョンが影響を受ける。

CVE-2016-1204
  • 1.35 〜 1.641のバージョン
CVE-2016-3714、XSSなど
  • 1.65 以前のバージョン
バージョン確認方法

ケータイキットが導入されているか不明な場合は次のファイルが存在するかを確認する。

次のファイルを参照することでバージョンが確認できた。

  • [Movable Typeのインストール先]/plugins/KeitaiKit/keitaikit.pl

$VERSION = '1.641';

対策

  • 修正版(ver 1.66)へ更新する。ver 1.35〜1.65までのユーザーは更新後に全体再構築が必要。
  • 最新版はダウンロードサイトより入手可能。
  • ver 1.641向け緊急パッチを適用していた場合もこの更新は必要。
回避策 (CVE-2016-1204)
  • 更新ができない場合はパッチを適用する。(ダウンロードにはライセンスキーが必要。)
  • パッチが適用出来ない場合は当該製品を削除する。

ケータイキット for Movable Type 最新版へのセキュリティアップデートおよび上記の緊急パッチファイルの適用ができない場合は、以下の対応を行うことで脆弱性の回避を行うことができます。

ケータイキット for Movable Type のプログラムファイルを削除します。削除するディレクトリは以下のとおりです。
Movable Typeのインストールディレクトリ/plugins/KeitaiKit

この対応により、ケータイキット for Movable Type は動作しなくなります。お早めに最新版のインストールを実施してください。

https://www.ideamans.com/release/20160423/