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2014年12月に不正指令電磁的記録供用容疑で摘発された不正送金事案をまとめてみた。

2014年12月5日、松山市男性がオンラインバンキングのIDやパスワードを盗む目的でマルウェアを使用したとして逮捕されたことが発表、報道されました。ここではその関連情報をまとめます。

タイムライン

日時 出来事
2014年1月〜5月 多数の不正なメールを送信しオンラインバンキングから不正送金を行った疑い。
2014年6月3日 自宅PCから他人のルーターを介してウイルスを送信した疑い。
2014年6月11日 合同捜査本部が男性をフィッシングサイトを設置したとして不正アクセス防止法違反で逮捕したことを発表。
2014年12月5日 合同捜査本部が男性を不正指令電磁的記録供用容疑で再逮捕したことを発表。

捜査対象

  • 松山市男性 29歳 無職
    • 6月にフィッシングサイト開設の疑いで逮捕、起訴され、2014年12月現在公判中。

容疑

  • 不正指令電磁的記録供用の疑い
    • 自宅のPCから隣人宅のルーターを通じて無線LANに勝手に接続した。*1
    • 2014年6月3日 13時25分頃、東京都内エステサロン経営の会社役員 50代女性にウイルスを添付したメールを送信した。
    • 女性は都内の信用金庫のオンラインバンキングを利用していた。*2
    • 女性はWeb上でメールアドレスを公開していた。
    • 女性はファイルを開いた(実行した)ため、PCはウイルスに感染していた。
    • 女性のオンラインバンキングのID、パスワードを盗み取られたが、不正送金の被害はなかった。
    • 男性は「全く身に覚えがない」として容疑を否認している。
    • 不正送金事案における当該容疑での摘発は全国で初めての事例となる。
  • 他疑われている事案
    • 男性を首謀格とするグループが存在する。
    • 2014年1月〜5月にかけ同様のメールを約40件送信し、オンラインバンキングから不正送金を行った。
    • 同様の手口で約100人分の個人情報を盗み取っていた。*3
    • この不正送金による被害が少なくとも10口座、被害額約900万円が確認されている。
    • 6月に摘発されたフィッシング事案では11口座、被害額約700万円があり、当該事案とあわせて1600万円と報じられているものと思われる。*4

発端

  • 米国のサイトからマルウェア作成ツールを購入した記録がPCに残っていたためと思われる。*5

捜査担当

  • 以下の合同捜査本部が担当

使われたマルウェア=「Infostealer.Ayufos」

  • 購入費用は25ドル
  • 作成ツールは「遠隔操作用の市販ソフト」との報道がある*6
  • マルウェア作成ツールを使って男性がマルウェアを作成した。

更新履歴

  • 2014/12/05 PM 新規作成