2月13日に発生した福島県、宮城県の地震を受け、14日に行われた官房長官記者会見の中継映像を改ざんした画像がTwitter上で当時出回っていました。ここでは関連する情報をまとめます。
切り取ったテレビ映像を改ざんか
フェイク画像
— 読売新聞大阪社会部 (@osaka_syakai) 2021年4月12日
誤解を誘発…AIで改変 判別難しく
福島、宮城の地震直後、ツイッターに投稿された加藤官房長官の記者会見の画像が、
何者かによって改ざんされたものであることが、読売新聞の取材でわかりました。
連載[虚実のはざま] pic.twitter.com/umWygQTdJH
- 改ざんされたとみられるのは2月13日の福島、宮城両県で発生した最大震度6強(M7.3)の地震を受け、2月14日に行われた官房長官記者会見の中継シーン。
- 問題の改ざん画像は記者会見中継で笑みを浮かべた表情の官房長官のシーンを切り取ったように見せたもの。切り取りが行われたのはフジテレビの中継だったと報じられている。
- 地震直後の会見では出回った画像にあるような笑みを浮かべるシーンはなかった。
会見30分後に問題画像出回り
- 問題画像が添付された一部のツイートでは約2,000回のリツイートが行われていた他、笑みを浮かべた画像を本物と信じたとみられる人たちからの批判的なコメントも多数あった模様。*1
- 問題画像の投稿元は不明。画像自体は会見から30分後には出回っていた。
- 読売新聞は立命館大学に問題画像の解析を依頼。解析結果から目元、口元に対しAI技術による精巧な改ざんが行われた可能性が高いと判断。 解析では、圧縮率、粒子等改ざん時に見られる特徴がほとんど検出されず、大学独自の方法で解析した。
政府もTwitterへ通報
(本事案を11日に報じた)読売新聞が4月12日の官房長官記者会見で、当該事案について質問を行っている。(16:41頃から)
官房長官は今回の会見シーンの改ざんを受け、次のコメントを述べている。
- 2月14日記者会見の様子を改ざんした画像がTwitter上で投稿されていた事実を政府も確認済である。
- 国民への混乱、誤解を与えかねないこと、被災地域に不快な思いを抱かせることから許されるものではない。
- 政府ではTwitter社に対し通報し適切な対応を依頼。12日時点で問題の投稿は削除されている。*2
- 今回の様なインターネット上の偽情報、フェイクニュース対応については総務省主催の有識者による研究会で行われている検討の内容を取り上げ。国民に対しても安易な拡散は行わないことが重要。
更新履歴
- 2021年4月13日 AM 新規作成
*1:フェイク画像 誤解を誘発…AIで改変 判別難しく[虚実のはざま]第2部 作られる「真相」<4>,読売新聞,2021年4月11日
*2:福島宮城地震「会見の画像改ざん 許されない」官房長官,NHK,2021年4月12日