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ビットコインを要求する青酸カリ恐喝事件についてまとめてみた

2019年1月25日、ビットコインを要求する脅迫文が全国複数個所へ送りつけられました。青酸カリとみられる粉末が同梱されていたと報じられています。警察は恐喝未遂事件として捜査を行っています。ここでは関連する情報をまとめます。

タイムライン

日時 出来事
2019年1月24日 8~12時の間 脅迫状が投函された(24日付神田郵便局消印)*1
2019年1月25日 東京都内製薬会社6社、毎日新聞に脅迫文が届いていたことが判明。(合計7社)
同日 警視庁麹町署、赤坂署などへ脅迫文の通報が寄せられる。
同日 都内の脅迫文を受けた会社が警視庁へ被害届を提出。
同日 札幌市内の食品会社支社から届け出。
2019年1月26日まで 警視庁の簡易鑑定から白い粉が青酸カリとの結果が出る。
2019年1月28日 東京都都内 製薬会社、食品会社2社に届いていたことが判明。(合計9社)
同日 大阪府警へ府内の製薬会社2社から届け出。(合計11社)
2019年1月29日 東京都内の製薬・食品会社5社、朝日新聞に届いていたことが判明。(合計17社)
同日 大阪府警が府内2社に送付された白い粉末が青酸カリであると断定。
同日 東京都内 製薬会社1社に届いていたことが判明。*2(合計18社)
同日 厚生労働省が都道府県宛に医薬品の確認などを徹底するよう求める通知。*3
2019年1月30日 警視庁が都内14社に送付された白い粉末が青酸カリであると断定。*4
2019年2月22日 脅迫文に指定された金銭の要求期限日。

脅迫文が送り付けられた組織(1/30時点で18社)

東京都内14社
No 送付先の組織 付加情報
1 毎日新聞 東京本社 1月25日に届き、同日警視庁へ届け出。
2 鳥居薬品(東京都中央区) 1月25日午後に届いた。*5
3 東京都内製薬会社 1月25日に届き、同日警視庁へ届け出。
4 東京都内製薬会社 1月25日に届き、同日警視庁へ届け出。
5 東京都内製薬会社 1月25日に届き、同日警視庁へ届け出。
6 東京都内製薬会社 1月25日に届き、同日警視庁へ届け出。
7 東京都内製薬会社 1月25日に届き、同日警視庁へ届け出。
8 朝日新聞東京本社 1月25日に届き、1月28日に中身を確認。(担当者がインフルエンザだった。)差出人はオウム真理教元幹部の名前。
9 東京都内製薬会社 1月25日に届き、1月28日までに判明した。
10 東京都内製薬会社 1月25日に届き、1月28日までに判明した。
11 東京都内製薬会社 1月25日に届き、1月28日までに判明した。
12 東京都内 製薬会社 1月25日に届き、1月28日までに判明した。
13 東京都内 食品会社 1月25日に届き、1月28日までに判明した。
14 東京都内 製薬会社 1月29日までに警視庁へ届け出。
大阪府内3社
No 送付先の組織 付加情報
15 大阪府大阪市中央区 製薬会社 1月25日に大阪府警東署に届け出。*6 北海道の刑務所とみられる住所、暴力団幹部の名前が記載。会社代表宛に届いた。
16 大阪府内 製薬会社 1月28日に大阪府警へ届け出。脅迫文は一致。差出人は最高裁判事。
17 大阪府内 製薬会社 1月28日に大阪府警へ届け出。脅迫文は一致。差出人は最高裁判事。
北海道内1社
No 送付先の組織 付加情報
18 北海道札幌市食品会社支社 1月25日に届き、26日に届いていたことが判明。東京都内に本社の大手。差出人はオウム真理教元幹部の名前。*7

送り付けられた脅迫文

郵便物の外形
  • 届いたのは茶色の封筒。
  • 脅迫文、宛先シールはPCで作成された(プリンターで印字)とみられる。
  • 脅迫文はA4用紙ほどのサイズ一枚に記述。
同封された白い粉
  • 封筒には「青酸カリを入れた偽物の薬を流通させる」として白い粉末が同梱されていた。
  • 白い粉末は5センチ四方のポリ袋に入ったもの。量にして数ミリグラム。
  • 製薬会社に届いた粉末からは薬の成分が検出された。
警察 白い粉の確認状況
警視庁 14社すべてシアン化カリウム(青酸カリ)と確認。
大阪府警察 シアン化カリウムと確認。
北海道警察 青酸化合物と簡易鑑定で確認。成分調査中(1月28日時点)
ビットコインを要求
  • 2月22日までに3500万ウォン(約350万)相当のビットコインの送金を要求。
  • 要求(金銭の支払い)に従わない場合は悲劇が起こると脅迫するもの。
  • 要求する金銭の支払先としてQRコード(仮想通貨のウォレットアドレス)が印字されていた。
  • ウォレットアドレスは送付先ごとに異なるものが記載されていた。*8
  • 警視庁はスマートフォンのカメラ機能で読み取れないと発表していた。*9
  • 詳細は明らかにされていないが、仮想通貨アプリでもQRコードは読み取ること(アクセス)が出来ないと報じられている。*10
差出人、消印
  • 封筒の差出人は「麻原彰晃」等、オウム真理教元幹部、暴力団幹部、最高裁判事の名前などが記述。
  • 警視庁は差出人に当初政治家の名前が含まれると発表していたが時事誤認であったとして26日午後に訂正した。*11
  • 死刑が執行されたオウム真理教元幹部に対して「冥福を祈る」等とも記述されていた。
  • 差出元の住所は東京拘置所、刑務所が記載。
  • 確認された脅迫文の封筒消印はいずれも神田郵便局*12
  • 郵便局の消印はいずれも1月24日となっていた。
  • 神田郵便局の消印が押されるポストは都内に約170か所存在。
  • 一部の消印は不鮮明のため鑑定作業が進められている。*13
関連事案
  • 2018年1月にも同様の脅迫文が確認されているが、送付先に今回の会社が含まれている。
  • 当時の差出人は暴力団幹部らの名前。白い粉末は同梱されていなかった。*14

更新履歴

  • 2019年1月31日 AM 新規作成
  • 2019年2月6日 AM 続報追記
  • 2019年2月19日 AM 続報追記