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航空保安情報の不正持ち出し事案についてまとめてみた

2023年8月28日、航空会社のオリエンタルエアブリッジの元社員の男が保安対策に関係する社内情報の持ち出しを行っていたとして長崎県警が不正競争防止法違反の容疑で書類送検していたことが報じられました。また報道を受け、オリエンタルエアブリッジも同事案の発生について公表しました。ここでは関係する情報をまとめます。

ハイジャック時の緊急対応マニュアルなど持ち出し

  • オリエンタルエアブリッジから社内資料の不正に持ち出しを行ったのは同社の安全推進室で管理職だった男。持ち出し直後に男は同社を退職しており、同じく航空会社のトキエアに転職をしていた。
  • 男はオリエンタルエアブリッジで安全管理や安全教育を担当。持ち出された情報はパスワードによるアクセス制限が行われていたが、男はそれを知る立場にあった。*1
  • 航空保安対策に関係する情報は重大な事案につながる恐れがあり、加えて男が安全運航に関する責任者を務めていたことも踏まえ、国土交通省航空局は再発防止の作成を同社に対して要求。
  • 持ち出された情報はハイジャック時の緊急対応マニュアルなどで、同社は運航や安全に関する直接の影響はないとしている。また外部への流出も確認されなかったことから、同社は男に対して刑事告訴は行わないと説明。*2 *3

転職先での利用目的と供述

  • 退職のため男が同社で使用していた業務PCが返却され、同社がそのPCを調べたところ今回のデータ持ち出しの疑いが判明。長崎県警大村署に被害相談を行っていた。
  • 男に対する容疑は、2022年11月25日頃、同社より貸与されたPCよりサーバーに接続し、同社の保安対策等に関するデータをUSBメモリに複製し、不正に持ち出しを行ったというもの。長崎県警は元社員を不正競争防止法違反(営業機密領得)の容疑で男を書類送検した。
  • 取り調べに対し、元社員は容疑を認めており、「転職先の業務で役立つかもしれないと考え持ち出した」と供述。長崎県警、国交省航空局ともに第三者による関与はなかったとみている。
  • 転職先のトキエアでも元社員は安全推進室の管理職だったが、今回の事案発生を受けて降格の処分(管理職からはずれた)となった他、元社員が作成したトキエアの安全管理規定も再作成となった。トキエアは「男から報告を受け事案を把握した、会社の関与はない」と取材に対して回答。*4

関連タイムライン

日時 出来事
2022年11月25日 男が社内情報をUSBメモリにコピーし持ち出した疑い。
2022年11月末 男がオリエンタルエアブリッジを退職。
2022年12月 男がトキエアに転職。
男から返却された業務PCより不正持ち出しの疑いが発覚。オリエンタルエアブリッジが長崎県警に被害相談。
2023年2月 男がトキエアに対して捜査を受けていると報告。
2023年8月9日 長崎県警が不正競争防止法違反の容疑で男を書類送検。

更新履歴

  • 2023年8月31日 AM 新規作成