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Amazonで発生した注文履歴の誤表示についてまとめてみた

2019年9月26日にAmazon.co.jpの注文履歴で誤表示などの問題が発生しているとのSNS上の投稿が複数ありました。Amazon Japanも事象発生を認め調査中と取材に回答しています。ここでは関連する情報をまとめます。

Twitterへ投稿された事象

Amazon.co.jpで次の事象が発生していたとしてTwitterへ複数の投稿が寄せられていた。*1

  • Amazon.co.jpの一部の利用者で発生していた模様。(国外サイトで同事象の報告はない)
  • piyokangoが確認した範囲ではTwitterでは9月26日6時頃から事象報告の投稿が始まっている。*2
  • PC向け、スマートフォン向け、公式アプリいずれでも問題の発生が投稿されている。
  • 注文履歴で発生していた事象として履歴の誤表示と、システムエラーの2種類が報告されている。
(1)注文履歴の誤表示
  • 自分以外の注文履歴の一覧が表示された。(ホーム画面では事象は発生しなかった)
  • 注文履歴ページのアカウント表示に自分とは別の名前、郵便番号が表示された。*3 そのため、自分の情報を参照することができなくなった。
  • 誤表示された注文履歴詳細ページを参照することも可能だった。*4

 

(2)エラー表示
  • 「現在、このご注文の詳細を表示するのに問題が発生しています」と表示され、自分の一部の注文履歴や金額が表示されなくなった*5
  • 「An error occurred while processing your request. reference」というエラーメッセージが表示されたという報告もあった。*6
  • アプリでも問題が発生したとして犬が表示された。


Amazon Japanの反応

  • 報道各社の取材に対してAmazon Japanは「Amazonは顧客のセキュリティとプライバシーを大変重要と考えている」「現象は認識し、調査をしている」とコメントを出している。
  • クレジットカード情報は対象外だった模様。
  • 不正アクセスは否定し、Amazon内部のシステムトラブルと回答している。*7
  • Amazonが会員より受けた問い合わせへは順次連絡を行っている。
  • 流出した会員への対応は調査が終了してから。
2019年10月4日にお詫びメールを配信
  • 対象となった利用者にお詫びメールを配信していた模様。


個人情報保護委員会の行政指導

www.ppc.go.jp

  • 個人情報保護委員会は2019年10月11日にAmazon Japanに対して行政指導を行ったと発表。
  • 個人情報の保護に関する法律に基づくもの。

この行政指導により、今回の障害が以下の状況であったことが明らかとなった。

  • 影響を受けたのは約11万アカウント。
  • 他者に表示された情報は利用者により異なるが、個人情報が含まれていた可能性がある。
  • 対象となった情報は氏名、配送先住所、注文履歴等。
  • 個人情報保護員会は発表前にAmazon Japanより当該事案に関する報告は受けていた。
  • 個人情報保護員会はAmazon Japanへ再発防止及び利用者への問合せを確実に履行するよう要求。

更新履歴

  • 2019年9月27日 AM 新規作成
  • 2019年9月28日 PM 続報追記
  • 2019年10月12日 AM 個人情報保護員会の行政指導などを追記