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MS15-093で修正されたIEの脆弱性 CVE-2015-2502についてまとめてみた

2015年8月19日に修正されたIE脆弱性 CVE-2015-2502 に関する情報をまとめます。

脆弱性概要

脆弱性の概要情報をまとめたところ次の通り。

愛称 無し
Webサイト MS15-093
アイコン 無し
CVE CVE-2015-2502
影響 RCE
悪用 有り(0day)
発見者名 Clément Lecigne氏
Google社のセキュリティエンジニア
Microsoft 謝辞欄に掲載されている。
CVE-2015-2502の概要

MicrosoftによればCVE-2015-2502はIEのメモリ破損の脆弱性であるとして次の説明をしています。

Internet Explorer がメモリ内のオブジェクトに不適切にアクセスする場合に、リモートでコードが実行される脆弱性が存在します。この脆弱性では、攻撃者が現在のユーザーのコンテキストで任意のコードを実行するような方法で、メモリを破損する可能性があります。

https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/security/ms15-093.aspx
CVSS
  CVSS v2
NVD 9.3

タイムライン

日時 出来事
2015年8月19日 MicrosoftがCVE-2015-2502を修正する更新プログラム MS15-093を定例外で公開。

影響範囲

全てのWindows OSに搭載されたいずれかのIEが影響を受ける可能性がある。サーバーOSはIEの設定が既定でセキュリティ強化の構成で実行されることから緊急ではなく、警告と評価されている。

影響範囲をまとめると次の通り。

Windows IE7 IE8 IE9 IE10 IE11
Vista SP2 影響あり 影響あり 影響あり    
7 SP1   影響あり 影響あり 影響あり 影響あり
8       影響あり  
8.1         影響あり
10         影響あり
2008 影響あり        
2008 R2   影響あり 影響あり    
2012       影響あり  
2012 R2         影響あり

対策

2015年8月19日に公開された更新プログラム MS15-093を適用する。

緩和策

Microsoftによれば、EMETによる緩和策が有効

悪用に関する情報

MicrosoftSymantecなどが公開している情報によれば、CVE-2015-2502は0dayとして修正前の悪用する動きが確認されている。なお、攻撃方法は水飲み場攻撃での悪用事例が報告されている。

現在確認されている報告によれば攻撃された地域は香港であり、日本国内が攻撃対象に含まれている報告はない。

改ざんサイト・不正通信先に関する情報

Symantecでは改ざんされたサイトは1つしか報告されていないが、Google Safebrowsing、及びGoogleのキャッシュよりさらに2件のWebサイトが改ざんされていることを確認した。

  • Google Safebrowsing(115[.]144[.]107[.]55の結果)


  • キャッシュに残っていた改ざん痕跡


香港の事案と関連があるかは不明ながらAlianValutが報告しているマルウェアの1つに関連する通信先として、Virustotalから別の不正通信先を確認できた。

これら水飲み場攻撃で悪用されたWebサイトは次の通り。

種類 URL/IPアドレス Google Safebrowsing Symantec AlianValut
改ざんサイト hkctu[.]org[.]hk 報告あり
改ざんサイト elchk[.]org[.]hk 報告あり 報告あり
改ざんサイト alrc[.]net 報告あり
不正サイト 115[.]144[.]107[.]55 報告あり 報告あり 報告あり
不正サイトの可能性 www[.]publicvoicepress[.]com 報告から確認
不明 27[.]255[.]94[.]74 報告あり

更新履歴

  • 2015年8月23日 AM 新規作成