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Suicaポイントクラブへ行われた不正ログインについてまとめてみた

8月18日に東日本旅客鉄道(以下JR東日本と記載)が同社の電子マネーサービス「Suicaポイントクラブ」において、不正ログインがあったことを発表しました。ここではその関連情報をまとめます。

(1) 被害状況

不正ログインの被害状況
不正ログイン被害件数 756件(アカウント)
ログイン試行回数 約296,000回
ログイン試行日数 2014年8月15日1時29分〜5時35分(約4時間)
ログイン成功率 約0.3%
会員数 約189万人*1
流出した可能性のある情報
  • 不正ログインを受け、個人情報が閲覧された可能性がある。
    • 当初個人情報の漏えいはないとされていたが、その後漏えいした可能性があると報じられている。*2
  • 登録された情報の改ざんは2014年8月18日時点で確認されていない。
  • ログインが出来ていないため以下全て閲覧可能かどうかは未確認。新規登録時に必要となる情報は以下の通り。
    • SuicaID番号
    • Suica種別
    • 氏名(漢字)
    • 氏名(カナ)
    • 氏名(ローマ字)(任意)
    • 性別
    • 生年月日
    • メールアドレス(PC)(PC/携帯どちらか必須)
    • メールアドレス(携帯)(PC/携帯どちらか必須)
    • 提携ポイントとの交換設定
    • 住所
    • 電話番号
金銭的被害
  • JR東日本の調査によればなりすましによるポイントの不正利用は2014年8月18日発表時点で確認されていない。

(2) 発端

  • 通常にはない大量のアクセスをJR東日本が確認したことによる。

(3) 原因

  • 不明

(4) 対応・対策

  • 不正ログイン被害について発表
  • 不正ログインされたユーザーへ電子メールで連絡。(2014年8月15日)
  • 不正ログインされたユーザーのパスワードをリセット。
  • Suicaポイントクラブの7機能を機能の停止(2機能を除き8月18日12時まで)
  • Suicaポイントクラブの5機能を18時〜翌6時まで停止する措置を当面実施。

(5) インシデントタイムライン

日付 出来事
8月15日 1時29分 Suicaポイントクラブへ不正ログインを試行するアクセスが開始される
8月15日 5時35分 JR東日本が不正ログイン発生を受けサービスの一部機能を停止
8月18日 JR東日本が不正ログイン被害について発表
8月18日 12時 Suicaポイントクラブの一部機能の利用が再開される
8月18日 18時〜 JR東日本が特定時間におけるSuicaポイントクラブの一部サービスの利用を停止する対応を開始

(6) ログイン仕様

ログインID
  • 任意の文字列を設定可能
  • 半角英数字記号
  • 6〜40桁
  • 英大小文字は区別される
パスワード
  • 半角英数字
  • 6〜100文字
  • 英大小文字は区別される

過去の同社サービスの不正ログイン被害

2013年3月31日「My JR-EAST」への不正ログイン
不正ログイン被害件数 97件(アカウント)
ログイン試行回数 約26000回
ログイン試行日数 2013年3月31日12時26分〜13時52分(約1時間半)
ログイン成功率 約0.4%
2014年3月16日 「Suicaポイントクラブ」への不正ログイン
不正ログイン被害件数 約1万9000件(報道発表による)
ログイン試行回数 約94万回
ログイン試行日数 2014年3月16日17時07分〜17日10時24分(約17時間半)
ログイン成功率 約2%

更新履歴

  • 2014/08/19 AM 新規作成
  • 2014/08/19 PM ログインID、パスワードの仕様追加