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掲載一時停止となった気象庁サイトの広告掲載についてまとめてみた

2020年9月16日、気象庁は同月15日14時より開始した広告掲載について、掲載基準に沿わない不適切な広告が表示されたとして16日10時頃に広告掲載を停止したと発表しました。ここでは関連する情報をまとめます。

気象庁の広告掲載

2020年7月6日 気象庁ホームページへのウェブ広告掲載について(気象庁)
2020年9月11日 気象庁ホームページへのウェブ広告掲載開始について(気象庁)
2020年9月11日 気象庁における、初の試みであるホームページの広告掲載が、9 ⽉ 15 ⽇ 14 時以降 スタート。その運⽤サポートに ALiNK インターネットが選出されました。(ALinkインターネット)

  • 気象庁のWebサイト上に広告を掲載し、広告媒体として活用することにより、Webサイトの「持続的・安定的な情報提供を効率的に維持・推進」を目的とし、収入は運営費に充てる。
  • 気象庁のWebサイト運営は民間企業への委託で行われており、運営費用は2億4000万円。2019年の閲覧回数は約79億回。*1 *2
  • 広告掲載に係る業務はALinkインターネットに契約金8700万円で委託。契約期間は2020年9月15日~2021年2月16日の約5か月間。(2月中旬以降は気象庁Webサイトがリニューアルされる予定。)
  • Webサイト訪問者の属性に応じて掲載される広告が変わる「運用型広告」が導入。
  • 日本の中央省庁において、広告掲載を行っているWebサイトの事例はないが、過去に外務省が5年ほど前に掲載していた事例がある。
  • 国土交通省労働組合等は国民の生命財産を守る防災情報を表示するWebサイトの財政基盤は国が責任を持つべきとして反対の意向も示されている。

掲載直後に不適切な表示

2020年9月16日 気象庁ホームページへのウェブ広告掲載停止について(気象庁)
2020年9月16日 気象庁ホームページ広告運用の一時停止について(ALinkインターネット)

  • 誇大広告の恐れがあるヘアケア品販売など掲載運用方針に沿わない広告が約100サイト分表示された模様。事業者からの報告を受け、気象庁判断の元、16日9時58分から広告掲載を一時停止。
  • ALinkインターネットは当初不適切な表示が行われた広告は都度削除する対応をとっていた。*3 停止後の取材ではGoogleのチェック、ALinkインターネット独自のチェックと複数の対策を講じていた、但し掲載後削除する作業はどうしても発生しうると回答している。*4 気象庁側は不適切な表示を排除するフィルタリング機能が有効に機能していなかった可能性を指摘している。*5
  • 医薬品医療機器法に抵触する恐れのある広告が表示されたという。*6 気象庁の広告掲載基準の「虚偽又は誤認されるおそれがあるもの」に当たる可能性。
  • 不適切な表示が行われた経緯などは事業者と調査中。当面は掲載箇所に「広告枠」という広告を表示する。*7
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当面表示される広告枠広告(気象庁Webサイトより)
  • 医薬品医療機器法に抵触する広告の詳細は気象庁より開示されていない。停止前の様子は280blocker氏の記事でまとめられているが、正規販売店ではないブランド品の格安販売サイト等に誘導する広告なども表示されていた模様。
  • 気象庁のサイトには広告非表示を行うボタンが設置されており、広告配信に使用されたGoogle Adsenseのポリシー違反とする指摘も行われている。
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広告非表示ボタンは現在も設置中。

広告絞り込みに変更

  • 2020年10月再開に向け、広告掲示を運用型から事前に広告主を絞った事前審査の方式に変更すると報じられた。*8
  • 気象庁内でも不適切な広告は一切出してはならない(ゼロにすべき)との意見が支配的。
  • 広告掲示される媒体などを限定した限定市場方式や地方自治体が行っている広告主を直接募集する方式が代替案として検討が進められている。

更新履歴

  • 2020年9月18日 AM 新規作成
  • 2020年10月2日 PM 続報反映