2020年4月27日にFinacial Timesの記者が他社のオンライン会議を盗み聞きしていたと報じられました。ここでは関連する情報をまとめます。
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Indipendent社が2020年4月27日、非公開で行われていた23日の社内会議にFinancial Timesの記者が無許可で潜入していたと報じた。
www.independent.co.uk
- 社内会議はIndipendent社幹部が従業員に対し給与削減や一時解雇について伝えるものだった。
- 無許可での参加が指摘されたFT社の記者はDi Stefano氏。今年1月からFinancial Times社に所属。
- 会議の最中にFT記者はTwitterへその様子を伝えたり、その後FTのWebサイトでもこの件を広告減少が要因だったとして取り上げた。FTはこの記事を報じる際、「電話取材」をソースとしていたという。
NEW: Evgeny Lebedev's Independent has just told staff its the latest UK news publication to take emergency measures:
— Mark Di Stefano (@MarkDiStef) 2020年4月23日
* 20 per cent pay cut for *all staff* earning over £37.5k
* Some placed on government's furlough scheme
* Ad revenue down 30-50 per cent
- さらにEvening Standardで行われていた非公開のZoom会議にも潜入し、ここで得た情報を4月1日に報じた疑念があると指摘されている。
匿名で会議に入り直しも身バレ
- 会議のログ上にDi Stefano氏のメールアドレスが登録されたアカウントが16秒間参加する痕跡が残っていた。
- この時の一瞬の様子(点滅状態)は一部参加者も目撃していた。
- その5分後、別のアカウントが会議に参加したが、名前は付けられておらず、ビデオもオフとなっており匿名のアカウントだった。
- 匿名のアカウントは会議の最後まで参加しており、後にこの記者の使用する携帯電話にリンクしていることが判明した。
会議はパスワード保護されていなかった?
- 問題が起きたオンライン会議で使用されていたシステムはZoom。最大100人が参加していた。
- FT記者がどうやって非公開会議にアクセスできたのかは詳細については触れられていない。
- 共同通信は「侵入」と表現しているが、Guardianは会議がパスワード保護が行われていなかったとも報じている。*1
- 記者が第三者より参加リンクを受け取っている可能性もあり、今回の行動がFT社の行動規範に違反したものである一方、直接法に触れるかどうかは判断が分かれるとされてる。
- FTはIndipendentより今回の問題の指摘を受け謝罪する意思を表面。発覚直後は内部調査中として記者を出勤停止処分にしていた。
- 問題行為を指摘された記者は5月1日付でFTを退職したことを明らかにした。
Hi, letting everyone know today was my last day at the FT. This afternoon I offered my resignation. Thank you everyone who has given support. I’m now going to take some time away and log off x
— Mark Di Stefano (@MarkDiStef) 2020年5月1日
更新履歴
- 2020年5月3日 PM 新規作成
*1:Zoomでは現在既定でパスワードが必要となるため、パスワードが埋め込まれたミーティングリンクが共有された可能性もある