ダークウェブ上にビットコインの取引に利用するアカウント販売の書き込みを行っていたとして京都府警は千葉県の男を逮捕しました。府警を含む合同捜査本部は2018年11月以降ダークウェブ上の違法取引に対して全国的な一斉摘発を行っています。ここでは関連する情報をまとめます。
オニオンちゃんねるへのアカウント売却の投稿
- 千葉県の男が摘発されたのは「オニオンちゃんねる」へ行った2018年5月17日の投稿から。京都府警は同月にサイバーパトロールでこの投稿を発見。
- ビットコイン取引に必要な他人名義のアカウント情報(ID、パスワード)の販売を持ち掛けるものだった。販売額は2万円。*1
- 今回売却が呼びかけられた他人名義のアカウントは購入には至っていなかった。*2
- 男は知り合いに頼み、仮想通貨取引用のアカウントを作成させていた。*3
- 容疑は犯罪収益移転防止法違反(仮想通貨の広告規制)で、正当な理由なく有償提供の広告を掲載したため。捜査担当は京都府警サイバー犯罪対策課、南署。同法違反の容疑での摘発は全国初。男は「間違いない」として容疑を認める供述をしている。*4 逮捕は2020年2月25日。
全国初の一斉摘発キャンペーンの一環
- 京都府警、千葉県警、福岡県警、神奈川県警などを含む13府県警合同、かつJC3(日本サイバー犯罪対策センター)と協力しダークウェブ上の取り締まり強化を行っている。
- 口座情報や携帯電話の違法取り引きが対象。今回の摘発を含めて2018年11月以降39件の事案、合計20人が摘発されている。
- 2018年3月にサイバーパトロールを通じ京都府警がオニオンちゃんねる内に「クレカデータ取引所」というスレッドを発見。その後も違法取引とみられる複数のスレッドを把握し各県警へ情報が提供された。
- クレカデータ取引所の情報は千葉県警へ提供され2018年11月にサイト運営者らが割賦販売法違反容疑で逮捕されている。
更新履歴
- 2020年2月28日 AM 新規作成
*1:闇ウェブに「アカウント売る」 暗号資産取引用、容疑で男逮捕―京都府警,時事通信,2020年2月25日
*2:闇サイトで取引持ちかけ 容疑の男逮捕 ビットコインIDなど,読売新聞,2020年2月25日夕刊
*3:闇サイト20人摘発 13府県警「口座販売」投稿容疑など,日本経済新聞,2020年2月25日
*4:仮想通貨、不正広告疑い 男逮捕 ダークウェブ投稿 京都府警,毎日新聞,2020年2月26日