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ロシア職員関与と報じられたソフトバンク元社員の社外秘情報持ち出しについてまとめてみた

2020年1月25日、ソフトバンクは元社員の男が不正競争防止法違反の容疑で逮捕されたことを発表しました。また複数の報道では男が在日ロシア通商代表部の職員へ情報を渡したとも報じられています。ここでは関連する情報をまとめます。

通信設備の工程管理マニュアルを持ち出しか

  • 男は当時通信設備構築プロセスの効率化業務を担当。2017年4月当時は「テクノロジーユニット モバイル技術統括 モバイルIT推進本部 無線プロセス統括部 統括部長」だった。
  • 男により持ち出された文書は電話基地局等の通信設備関連工事の作業手順書(工程管理のマニュアル)とみられる。*1 文書は男が管理職としてかかわっていたもので閲覧可能だった。*2
  • 警視庁公安部により1月25日の容疑で持ち出しが疑われている情報は2点。(不正競争防止法違反(営業秘密の領得))サーバーから記録媒体にコピーし自身のPCに入れ持ち出しをしていた。*3警視庁は他に営業機密に関わる情報が漏れていた可能性があるとして捜査を進めている。
  • ソフトバンクでは影響が及んだ情報は社外秘扱いであるものの機密性は低いと評価。機密性が高いものとして分類されるのは顧客の個人情報、通信の秘密に係わる情報、取引関連の情報が例として示されている。

www.softbank.jp
ソフトバンクの発表では、内部調査により次のことが判明している。

  • 男が持ち出した情報は高機密に分類される情報が一切含まれていないこと。
  • 男は機密性の高い情報に対するアクセス権限を保持していなかったこと。
  • 社内システム、ネットワークに対する外部への不正アクセスの痕跡、不正プログラムの検知はないこと。

ロシア職員との接触 数年前からと報道

  • 在日ロシア通商代表部*4職員(50代)、元職員(40代)の2名が男に接触していたと報じられている。*5 2名とも外交官の身分(外交特権)を持っている。
  • 元職員の男が男に接触しその後職員へ引き継いだとされる。元職員は2017年春頃帰国。男とは数年前から接触があったとみられる。*6
  • 男は職員よりそそのかされ資料を渡したとする趣旨を供述。*7男は首都圏内で飲食を伴う数回の接触を行っていたとみられる。*8その見返りとして現金を複数回受領し、受け取った理由は小遣い目的だったと供述している。*9
  • ロシア職員との飲食を伴う会合は2,3か月おきに1回のペースで実施された。これまでに10回以上行われていたとみられる。その際ロシア職員は本名を名乗らず、支払いも全て職員持ちだった。*10
  • ロシア職員に渡す際、資料の内容によって受領する金額が異なっていた。*11
日時 出来事
時期不明 在日ロシア通商代表部元職員が男に偶然を装って接触。
2017年春頃 男に接触していた代表部元職員が帰国。
2019年2月18日 男がソフトバンクのサーバーへ接続し機密情報を取得した疑い。
数日後 男が在日ロシア通商代表部職員へ情報を保存した記録媒体を手渡し。*12
2019年12月 警視庁が男の自宅やソフトバンクを家宅捜索。
2019年12月中旬 ソフトバンクが男を懲戒解雇処分。
2020年1月25日 警視庁が男を不正競争防止法違反の容疑で逮捕。
同日 警視庁が外務省を通じロシア大使館へ職員らの出頭を要請。
  • 警視庁は外務省を通じ在日ロシア大使館に対して関りのあるとみられる代表部職員2名に対し出頭要請している。
  • 在日ロシア大使館は一連の報道に対し、「反ロシアの推測に日本が係わったことは残念」とfacebookへコメントを掲載している。

更新履歴

  • 2020年1月26日 AM 新規作成
  • 2020年1月29日 AM 続報反映