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改元関連の不具合やシステム障害についてまとめてみた

令和への改元に関連した、あるいは関連したとみられる不具合、システム障害の事例についてここではまとめます。

政府発表

(1) 官房長官(5月1日記者会見)

nettv.gov-online.go.jp

  • 5月1日時点で官民の情報システムに支障が生じたとの報告なしと回答。
  • 記者会見質疑応答で明らかにしたもの(動画6分14秒頃)
(2) 経済産業大臣(5月7日記者会見)

www.youtube.com

  • 国民生活に支障の及ぶ障害が発生したとの報告はなしと回答。
  • 7日以降、情報システムを稼働させる組織も多いため情報収集は継続している。
  • 今後もシステム改修を行う組織もいると思われるため対策情報の発信を続ける。

改元関連(とみられる)トラブル

  • piyokangoがこれまで発表、報道等で確認したのは10件(5月9日時点)
サービスの一時停止 2件
印刷、表示等の不具合 7件
運用ミス 10件
(1) システム改修でデータ消失(3月28日報道)

www.47news.jp

  • 甲賀市が改元対応で改修作業中に発生。
  • 改修作業後、口座振替予定日が改元前は31年とすべきところ「1年」と表記。
  • この修正作業を行っている中で1,655件のデータが消失した。
(2) 令和31年と通知(4月10日報道)

www.yomiuri.co.jp

  • 北九州市 水道使用量、料金等の通知ハガキ 768通で発生。
  • 作成日など平成31年と記載すべき箇所を「令和31年」と誤って印字。
  • 利用者からの指摘で発覚。
  • ハガキ印刷業者が元号設定のテストを行った後に設定を戻すのを忘れていたため。
  • 水道の使用量、料金への影響なし。4月11日に修正したハガキを再送。
(3) 平成3元年と通知(4月12日報道)

tech.nikkeibp.co.jp

  • 書面で「平成31年」とすべきところが「平成3元年」と表示されていた。
  • 世田谷区が住民宛に発送した約1万通(私立幼稚園等保護者補助金交付決定通知書)で発生。
  • 書類印刷業者のソフトウェアバグで十の位を考慮した実装が行われていなかった。
  • 西暦から和暦に変換するプログラムを実装していた。
  • 世田谷区は3月11日からお詫び文書を順次送付。手続きの不具合は発生していない。
(4) 改元前にフライング表記(4月16日報道)

digital.asahi.com

  • 松江市で改元前に「令和元年」と記載された住民票の写し等が発行。
  • 誤印字は14件。問い合わせを受けて発覚した。
  • 4月16日の改修テストの影響を受け誤って印字されてしまった。
  • 担当の地方公共団体情報システム機構への交付停止の事前連絡を行っていなかった。
(5) 振込予約日が30年前(4月28日SNS話題)

  • 2019年5月7日と表示すべき箇所を1989年5月7日と表示していた。
  • ローソン、イーネットのコンビニATMで次のケースに該当する場合に日付が正しく表示されない。
カードローンクイックマン 4月22日から発生
振込予約取引 4月26日から発生
  • 問題が確認されたのは次の3銀行
    • 北陸銀行(ほくほくフィナンシャルグループ)
    • 横浜銀行(コンコルディア・フィナンシャルグループ)
    • 北海道銀行(ほくほくフィナンシャルグループ)
  • 問題が発覚したのは2019年4月29日。
  • 誤表示は5月1日に修正されている。
  • 取引日は正しい日付で手続きが行われている。
(6) 準備済みだが表示変わらず(5月1日市発表)

https://www.city.kamiamakusa.kumamoto.jp/q/aview/122/11157.htmlwww.city.kamiamakusa.kumamoto.jp

  • 本来は「元年5月分」となる予定が表示が31年5月分となってしまった。
  • 検針機器のシステム改修は済んでいたが、問題が起きた原因についての説明はされていない。
  • 5月分の検針は問題なく実施されている。
(7) 市役所で印鑑登録できず(5月4日報道)

www.kanaloco.jp

  • 相模原市で約2時間(8時半~10時半頃)にわたり印鑑登録ができず、24人に影響。
  • 連休中の臨時開庁日、市内3か所の区役所で発生。
  • システム受託業者の設定が不十分であり障害が発生した。
(8) 市役所で保険証等発行できず(5月7日報道)

tech.nikkeibp.co.jp

  • 名古屋市で保険証、医療証の印字に不具合があり244枚が発行できなかった。
  • 不具合は全て0や9が日付に表記されるといったもの。
  • 変換プログラムに2019年1月1日から4月30日までの取り扱いがない設定誤りがあった。
  • 対象期間の日付データが保険年金システムに取り込まれずに発生。
  • 開庁から発生し、13時頃までに復旧したが即時交付できなかった人へは郵送する。
(9) 平成1年度と納付書交付(5月7日報道)

tech.nikkeibp.co.jp

  • 仙台市で保険料納付書に「平成1年度」と表記し交付。
  • 納付書には元々「平成(スペース)年度」と印刷されていた。
  • 問題発覚後は手書きにて31に修正し交付。翌8日開庁までに修正。
  • プログラムの改修担当は仙台市国保・医療助成システム改修企業連合。
(10) 令和対応設定に一部漏れ(5月8日報道)

tech.nikkeibp.co.jp

  • 大阪市が交付した戸籍証明書11枚に「平成31年5月7日」と誤って記載。
  • 再起動後に受け取るはずの令和対応設定ファイルを受け取れていなかった。
  • 約230台存在するが問題が起きたのは3台。いずれもWin7。原因は調査中。
  • 漏れのあったPCも再起動後に設定ファイルを受信できた。
(11) 令和元年生まれの子に高齢者向け助成制度の申請書送付

tech.nikkeibp.co.jp

  • 広島市で市内の乳幼児648人に対して高齢者向け助成制度の申請書を誤送付。
  • 送付されたのは平成31年度高齢者公共交通機関利用助成申請書。
  • 令和元年生まれを西暦0年生まれとして2019歳と計算されてしまった。
  • 令和対応版にシステムを切り替えるタイミングよりも早く対象者抽出を行ってしまったため。
  • 福祉情報システムの構築、運用はNECへ委託されていた。

更新履歴

  • 2019年5月5日 AM 新規作成
  • 2019年5月6日 AM はてブのコメントで頂いた情報を1件追加。ありがとうございます。
  • 2019年5月7日 PM 大臣記者会見を追記
  • 2019年5月8日 AM 事例追記
  • 2019年5月9日 PM 事例追記
  • 2019年7月10日 PM 事例追記