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不正視聴プログラム公開事案についてまとめてみた

2016年6月6日、テレビの有料放送などを不正に視聴できるプログラムを公開したとして17歳少年が逮捕されました。ここでは関連情報をまとめます。

事案タイムライン

日時 出来事
2014年頃 少年が不正視聴プログラムを完成させていた可能性。
2014年12月 B-CASが警視庁へ不正視聴プログラムに関する相談。
2015年6月23日 少年が不正視聴プログラムを公開し、不特定多数が入手できるようにした疑い。
2016年6月6日 少年を不正競争防止法違反の容疑で逮捕。
2016年6月8日 警視庁、佐賀県警が同事案についての発表。
2016年6月27日 東京地検が処分保留で少年を釈放。

事案に関する情報

事案名

不正視聴プログラム頒布による不正競争防止法違反被疑事件

容疑者
  • 佐賀県佐賀市 17歳 無職少年
  • 少年は逮捕後は「事件について語りたくない」として認否は留保している。*1
捜査担当
  • 警視庁サイバー犯罪対策課
  • 警視庁 池上警察署
  • 佐賀県警察 生活安全課
容疑

不正競争防止法違反(技術的制限手段回避装置の提供)の疑い。*2

  • 2015年6月23日、不正視聴プログラムを独自に開発し、自宅に設置した自身のWebサイト上で無料で公開。不特定多数の人間が閲覧、入手できる状態にした疑い。
  • 不正視聴プログラムの公開容疑での検挙は全国で初めて。*3
犯行動機

逮捕前の任意の取り調べに対しては次のように供述している。*4

  • B-CASカードが邪魔であった。
  • 無料で視聴をしたかった。
押収品

報道より確認できた押収品は次のもの。

  • ノートPC 2台
  • サーバー 2台
  • ストレージ (裸族 スカイタワー) *5
  • 記憶装置 6台 (HDD 5台 / SSD? 1台)
  • カードライター
  • パラボラアンテナ
  • 書籍 3点(C#関連書籍1点、PHP関連書籍2点)

不正視聴プログラムの概要

  • FreeCASという呼称で不正視聴プログラムを公開していた。*6
  • 同名のファイルがVTにアップロードされている。ソースコードが一緒に配布されている? C#ベースで開発されている様子。


不正視聴プログラムの機能

報じられている不正視聴プログラムの機能は次のもの。

  • B-CASカードなど実際のカードを必要とせずに視聴制限を解除することが可能。*7
  • 不正視聴プログラムを通じて約70チャンネルの視聴が可能。
  • 不正視聴をするにあたってはプログラム単体では動作せず、ワークキーと呼称される暗号鍵(英数字)となる情報が別に必要。*8
  • ワークキーは第三者が独自解析し、掲示板サイトに投稿されている模様。
公開されていたサイト
開発時の様子
  • 数百ページにわたるデジタル放送の仕様書を読み込みを行った。
  • 独自でプログラムを開発した。
今後はダウンロード状況の捜査も
  • 警視庁サイバー犯罪対策課は押収したサーバーのアクセスログを解析し、ダウンロード状況を捜査する方針。

更新履歴

  • 2016年6月9日 AM 新規作成